2024年に迫る「医師の働き方改革」成功事例 改革の実現「難しい」と考える経営者が43.3%*に上る中、医師とスタッフの「チャット連絡」が成功要因に
回診時間が76%減少(1回あたり15.2分減)、ナースコール受信回数は26.3%減少(1週間平均で265回減)
ビジネスチャット「Chatwork」(https://go.chatwork.com/ja/)を提供するChatwork株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:山本 正喜、以下、Chatwork)は、医療の2024年問題(働き方改革を発端とする医師不足)に対して、DXで成果をあげている医療法人和会 武蔵台病院の事例を紹介します。
2024年の「医師の働き方改革」による医師不足の対応が迫られています。Chatworkの調査では、「働き方改革」の実現について「医療業界での実現は難しい」と感じている医療経営者が43.3%と最も多い結果となりました。また、実現への懸念はある一方で、解決に向けて取り組みたい対策については、「業務分担のタスクシフト」(28.7%)や「チーム医療システム構築」(26.7%)など、医師と看護師等との連携に関する項目が上位に上がっています。* 医師とその他スタッフの連携を実現するには、"忙しい""時間がない"という医師の状況を前提としたコミュニケーションやその基盤が必要です。
そこで、これまでの電話/紙/口頭に加えてビジネスチャット「Chatwork」を導入し、業務効率化はもちろん、提供する医療の質向上などの成果が出ている武蔵台病院の事例を紹介します。
◼️ 医療法人和会 武蔵台病院(https://www.musashidai-hp.com/)
所在地:埼玉県日高市
病院概要:整形外科、内科、リハビリテーションなど全15科
従業員数:219名(非常勤42名) ※2023年6月20日時点
◼️ 本件の全文PDFはこちら
https://l.chatwork.com/pdf_ja_2023_newsletter_musashidai-hp
◼️ 医師の仕事を止めない情報共有、関わるスタッフも気兼ねなく連絡できることが効率化の鍵
< 全体サマリー >
2020年4月、コロナ禍での連絡や職員の不安を取り除くための発信ツールとして、Chatworkを導入した武蔵台病院。2022年11月には、医師の働き方改革に備えるため、モバイル電子カルテの導入検討、看護体制の見直しともにChatworkの利用方法をアップデートしました。これまで電話/紙/口頭で行っていた申し送りや日々の連絡の手段にビジネスチャットを加えたことで、内科での1回あたりの回診時間が76%減少(15.2分/回)、夜勤への申し送りは81.6%減少(22.2分/回)しました。
医師にとっては、診療や会議を他スタッフからの電話連絡等で中断されることなく、手が空いた時間に情報確認が行えます。また、連絡をするスタッフは、電話連絡によって医師の時間を取らせることに気が引けたり、伝える内容を用意周到に考える、連絡のタイミングを見計らう等、配慮するポイントが多く、悩みの種になっていたと考えられます。(武蔵台病院・河野理事長より)
その結果を表すように、武蔵台病院が実施したスタッフへの調査では、Chatworkの活用方法を進化させた2022年11月以降、「医師とのやりとりに対する負担感や時間効率」について、負担感が「多い」「やや多い」が減少し、さらに時間効率に対しても「悪い」「やや悪い」が減少しています。
医師とのコミュニケーションの効率化によって生まれた余剰時間を活用し、看護師や介護士が患者に寄り添う時間が増えたことで、ナースコールの受信回数が3階病棟では1週間平均で、26.3%(265回)減少するといった効果も生まれています。
◼️ DX推進のあゆみ
⚫️ 2020年4月 コロナ禍対応のため、法人全職員約300名がChatworkフリープランの利用開始
⚫️ 2021年10月 全職員でChatwork有料プランへの切り替えを行う(一部を除き、個人端末を使用)
⚫️ 2022年11月 業務効率化に際してChatworkの活用方法を進化させ申し送りなどの日々の業務連絡に活用
医師・看護師などの病棟職員・ リハビリテーション職員に、業務用のスマートフォンを貸出
(その他は各部署PCを使用)、 看護提供方式のアップデート
◼️ チャットの効果:医師による回診時間や申し送り時間、カルテの記載時間などが減少
Chatwork活用を進化させた2022年11月以降、一回あたりの平均回診時間は整形外科では18.2%減少(7分/回)、内科では76%減少(15.2分/回)しました。また、日勤への申し送りは81.2%減少(10.8分/回)、夜勤への申し送りは81.6%減少(22.2分/回)するなど劇的な効果がみられました。また、以前は口頭での申し送りをカルテへ転記する作業が発生していましたが、チャットに履歴が残るため、必要な情報のみの記載で済むようになりました。その結果、カルテの記載に負担を感じていたスタッフは49%から38%へ減少、所要時間は1時間以上かかっていた職員が41%から34%へ減少しました。
◼️ DX成功の要因:医師への連絡ハードルが下がることが効率化に、患者に寄り添う時間も増加
医師とのやりとりに対しては、(心理的な)負担感が「多い」「やや多い」が減少し、時間効率も「悪い」「やや悪い」が減少しています。これまで遠隔の連絡にはPHSや電話を使用し、相手が出ないことも多く掛け直しなどの手間がありました。さらに医師とのコミュニケーションでは、医師の時間を取らせることに気が引けたり、伝える内容を用意周到に考える、連絡のタイミングを見計らう等、配慮するポイントが多く、悩みの種になっていました。ビジネスチャットを活用することで、相手(医師)の状況を必要以上に伺わずに済むため、互いの都合の良いタイミングで連絡が可能になったことで、様々な負担が軽減されました。
また、回診/申し送り時間/電話の使用減により無駄な時間を削減できたことで余剰時間ができ、患者に寄り添う時間が増えたことで、1日あたりのナースコールの数とその対応に動いた回数が減少しています。
◼️ 医療法人和会 理事長/整形外科専門医 河野 義彦氏のコメント
『きっかけは、コロナ禍でのスタッフの心理的安全性を確保するために、オフィシャルなツールで連絡をとり合いたいというものでした。利用している中で業務効率化にもつながると感じて2022年に活用方法を見直してからは、医師への伝達が効率化され、回診時間やナースコールの回数、申し送りにかける時間などが削減できました。その数値には有意差が認められ、効果を実感しています。
医療業界では「2024年問題」への対応も迫っていますが、当院ではChatworkの導入によりタスクシフティングやベットコントロール、緊急入院の連絡などをチャットで行なっています。今後も引き続きDXを推進するため、専門のチームを置き、院外からの取り組み見学なども積極的に行っています。』
* Chatwork株式会社「2023年中小企業経営者調査第1弾(医療業界)」
https://corp.chatwork.com/ja/news/2023/06/overtime-survey-medical.html