企業価値向上を牽引するコーポレートガバナンスの実現
Governance
ゴールとKPI
- 2030年ゴール
- kubellグループが優れた価値創造を通じて飛躍的成長と長期的な企業価値向上を実現するための実効性の高いコーポレート・ガバナンスを実現している
- 2026年ゴール
- グループ経営を支える、実効性の高いコーポレート・ガバナンスの基盤が整備されている
- 2024年ゴール
- コーポレートガバナンス・コードの要請事項を踏まえて、成長ステージに合ったコーポレート・ガバナンスを構築している
- 2030年KPI
-
- 取締役会の多様性の確保(取締役会が獲得すべき機能の明確化、取締役のスキルマトリックスの開示など)
- 監督機能等の強化(独立社外取締役の設置:取締役の過半数、監督と執行の分離強化、内部監査室の設置、取締役会の実効性評価の実施、役員報酬の開示強化)
- サステナビリティ課題への対応と情報開示についての監督強化(サスティナビリティ委員会の設置、ESG情報開示)
考え方と体制
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、ミッション「働くをもっと楽しく、創造的に」、ビジョン「すべての人に、一歩先の働き方を」の追求を通じて当社ならではの価値を社会に創造し続け、株主をはじめとするステークホルダーの皆さまの期待・要請に応えることで、持続的成長と長期的な企業価値向上を実現したいと考えています。
当社は、2019年に東証マザーズ(当時)に上場しましたが、当社を取り巻く環境は変化し続けており、このような中で持続的に成長するには、リスクテイクを含めて経営環境の変化に対応した適切でスピード感のある経営判断や、効率的で健全性・透明性・信頼性の高い経営を行うなど、実効性の高いコーポレート・ガバナンスの実現が不可欠であると考えています。今後は、東京証券取引所のコーポレートガバナンス・コードを踏まえ、ガバナンス体制の更なる強化にむけて着実に取り組みを進めていきます。
当社は東京証券取引所に「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」を提出しています。
コーポレート・ガバナンス体制
当社では、株主・投資家をはじめとするステークホルダーの皆さまに信頼いただけるガバナンス体制の構築が持続的成長と長期的な企業価値向上の基盤であるとの考えのもと、当社の成長ステージを踏まえたコーポレート・ガバナンスの構築に取り組んでいます。現在は、取締役会の監査・監督機能の一層の強化とガバナンスのさらなる充実を図るとともに、権限委譲による迅速な意思決定と業務執行を図ることで、経営の公正性、透明性及び効率性を高めることが有効と判断し、監査等委員会設置会社を選択しています。
コーポレート・ガバナンス体制図
取締役会
取締役会は、コーポレートミッション「働くをもっと楽しく、創造的に」の実現に向けて、経営に関わる重要な意思決定、各ステークホルダーの利益最大化、及び実効的なコーポレート・ガバナンスの構築を通じて、長期的な企業価値の向上に責任を負っています。
この責任を果たすために、2024年3月現在、取締役会は取締役8名(うち独立社外取締役5名)で構成しており、経験・専門的知識をバランス良く備えた多様性のある人員構成を保つとともに、独立社外取締役を過半数以上としております。
取締役会は、毎月の定例の取締役会のほか、必要に応じて臨時取締役会を開催しています。取締役会では、経営上の意思決定機関として、取締役会規程に基づき重要事項の決議を行っていますが、業務執行に係る意思決定の迅速化に向けて社内規程に基づき必要な権限委譲を行うと共に、執行状況の監督を行っています。
コンプライアンス委員会
コンプライアンス委員会は、リスク・コンプライアンス関連部門より構成され、定期的に委員会を開催するとともに、コンプライアンス意識の維持・向上のため役職員に対する定期的な研修を実施しています。コンプライアンス委員会の活動は取締役会及び監査等委員会に適時報告されておりますが、コンプライアンス活動をより強固なものとするため、取締役を委員に含めた構成に移行することを予定しております。
経営会議
経営会議は、業務執行に関する意思決定を迅速に行うため、社内取締役を含む上級執行役員および執行役員で構成しています。原則として毎週1回開催し、「職務権限規程」等の社内規程に定められた事項の審議・決定を行っています。経営会議の構成員は、業務執行状況を互いに報告・共有するとともに、共通の課題などについて審議・検討を行っています。
投資委員会
投資委員会は、社内取締役で構成され、取締役会および代表取締役CEOからの指示を受けて、投資案件の的確性等について審議を行っています。少なくとも四半期毎に1回開催し、投資案件への意思決定および投資後案件の継続的なモニタリングを実施しています。
報酬委員会
報酬委員会は、取締役(監査等委員を除く)及び執行役員の報酬等に関する手続きの公正性・透明性・客観性を強化するとともに、役員報酬を中長期における企業価値向上に資するものとすることを目的として、2024年3月開催の取締役会の決議により、取締役会の任意の諮問機関として設置されました。2024年8月現在、報酬委員会は、取締役会の決議により選定された6名の取締役で構成し、その過半数である4名は独立社外取締役です。
監査等委員会
当社は、2023年3月29日開催の第19期定時株主総会において、監査等委員会設置会社に移行いたしました。監査等委員会は、2024年3月時点では監査等委員である社外取締役4名で構成しています。監査等委員は、毎月1回監査等委員会を開催し、監査に関する重要事項について情報交換、協議並びに決議を行います。また、監査等委員は、社外取締役として取締役会に出席し、取締役の業務執行を監視できる体制としています。
執行役員制度
当社は、事業環境変化への対応力と意思決定のスピードを高めるために執行役員制度を導入しております。戦略執行に関わる権限と責任を明確化して執行役員に付与することにより、戦略を確実且つ迅速に実行しています。
会計監査人
当社は、EY新日本有限責任監査法人と監査契約を締結しています。
会議体の開催実績
会議体 | 氏名 | 2023年 |
---|---|---|
取締役会への出席回数(%) | 山本 正喜 代表取締役CEO | 19回(100%) |
井上 直樹 取締役CFO | 19回(100%) | |
福田 升二 取締役COO | 19回(100%) | |
宮坂 友大 社外取締役 | 19回(100%) | |
村田 雅幸 社外監査等委員(非常勤) | 19回(100%) | |
早川 明伸 社外監査等委員(非常勤) | 15回(100%)※1 | |
福島 史之 社外監査等委員(非常勤) | 15回(100%)※1 | |
投資委員会への出席回数(%) | 山本 正喜 代表取締役CEO | 2回(100%) |
井上 直樹 取締役CFO | 2回(100%) | |
福田 升二 取締役COO | 2回(100%) |
- ※1 2023年3月開催の株主総会における取締役(監査等委員)就任後の取締役会開催回数をもとに算出
取締役および監査役の主な専門的経験分野(スキルマトリックス)
氏名 | 企業・事業経営 | 財務・会計 | 資本市場・M&A | 法務 リスクマネジメント |
グローバルビジネス | テクノロジー・ トレンド |
事業戦略 マーケティング |
ESG |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
山本 正喜 代表取締役CEO | ● | ● | ● | ● | ||||
井上 直樹 取締役CFO | ● | ● | ● | ● | ||||
福田 升二 取締役COO | ● | ● | ● | ● | ||||
宮坂 友大 社外取締役 | ● | ● | ● | ● | ||||
村田 雅幸 社外取締役(監査等委員) | ● | ● | ● | ● | ||||
早川 明伸 社外取締役(監査等委員) | ● | ● | ● | ● | ||||
福島 史之 社外取締役(監査等委員) | ● | ● | ● | ● | ||||
熊倉 安希子 社外取締役(常勤監査等委員) | ● | ● | ● |
kubellの主な取り組み
内部統制
当社では、企業活動を健全かつ効率的に運営するために、「内部統制システムに関わる基本方針」を制定しています。この方針に基づき、法令遵守、財務報告の信頼性、業務執行の適切性、コーポレートリスク管理等の観点で問題がないかを管理するための内部統制システムを整備・運用しています。
内部統制に関わる方針
1. 取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
- 法令、定款及び社会規範等の遵守を目的として企業理念及び社内規程を定めるとともに内容について役職員に浸透を図る。
- 監査等委員会は「監査等委員会規程」に基づき、独立した立場で取締役の職務執行状況について監査し、適法性に関する疑義を発見した場合は、その事実を指摘し改善するよう取締役及び取締役会に勧告するとともに、必要に応じてその行為の差止めを請求する。
- 内部監査担当者は、「内部監査規程」に基づき、業務運営及び財産管理の実態を調査し、使用人の職務の執行が法令、定款並びに当社規程に適合していることを確認の上、代表取締役社長及び監査等委員会に報告する。
2. 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
- 当社は、取締役の職務執行に関する重要な情報・決定事項等を法令及び社内規程に従い、適切に保存、管理する。
- 取締役は必要に応じてこれらの保存情報を閲覧することができる。
3. 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
- 当社はコーポレートリスクの適切な把握を目的として、取締役会または他の会議体にて当社として管理すべきリスク項目の洗い出しと、継続的な状況確認を実施する。
- なおリスクが顕在化した場合は、代表取締役社長を統括責任者とした緊急事態対応体制を敷き、早期の回復に努める。
4. 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
- 当社は毎月1回の定例取締役会を開催し、法定事項の決議、経営に関する重要事項の決定及び業務執行の監督等を機動的に行うことで効率的な職務執行に努める。加えて、必要に応じて臨時取締役会を開催する。
- 当社は規程にて各組織の業務分掌並びに職位に応じた職務権限を定めるとともに、当該規程に従って担当役員及び各組織長への権限の委譲を行うことで、迅速かつ効率的な意思決定を確保する。
5. 監査等委員会がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項、当該使用人の監査等委員以外の取締役からの独立性に関する事項、並びに当該使用人への指示の実効性確保に関する事項
- 監査等委員会がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合、取締役会で協議の上、監査等委員会の職務を補助する使用人を配置する。
- 当該補助使用人に対する監査等委員会からの指示については、監査等委員以外の取締役並びに所属部門長からの指揮命令を受けないこととする。
- 当該補助使用人の人事異動、考課並びに懲戒処分については監査等委員会の同意を得るものとする。
6. 取締役及び使用人が監査等委員会に報告をするための体制、当該報告者が報告を理由に不利な扱いを受けないための体制及びその他の監査等委員会への報告に関する体制
- 取締役及び使用人は、会社に対し著しい損害を及ぼす恐れのある事実が発生する可能性が生じた場合もしくは発生した場合、または、法令・定款に違反する重大な事実が発生する可能性が生じた場合は、その事実を監査等委員会に遅滞なく報告する。
- 監査等委員会は、重要な意思決定のプロセスや業務の執行状況を把握するため、取締役会等の重要な会議に出席するとともに、監査業務の一環として取締役会議事録並びに稟議書等の重要文書を閲覧し、必要に応じて取締役及び使用人に説明を求めることができる。
- 監査等委員会に報告を行った取締役及び使用人について、代表取締役社長等の管理者は当該報告の事実を理由として不利益な取り扱いを行ってはならない。
7. 監査等委員会の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続きその他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
- 監査等委員会の職務執行に必要な費用は、会社が実費を負担する。
8. その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
- 取締役は、監査等委員会が取締役会その他重要な意思決定の過程及び業務の執行状況を把握するため、重要な会議に出席できる環境を整備するとともに、内部監査担当者及び会計監査人を含む外部の専門家等と必要に応じて連携できる環境を構築する。
- 監査等委員会は会計監査人及び内部監査担当者と定期的に会合を持ち、各監査人の監査状況を共有し、効果的かつ効率的な監査の実施に努める。
9. 反社会的勢力との取引排除に向けた基本的考え方及びその整備状況
- 当社は、反社会的勢力に対する毅然とした対応を取ること、反社会的勢力との一切の関係を拒絶することを社内規程に定め、すべての取締役並びに使用人に周知徹底する。
- 反社会的勢力による不当要求、組織暴力及び犯罪行為に対しては、顧問弁護士、警察等の外部専門機関と連携し、解決を図る体制を整備する。
報酬制度
取締役の報酬
取締役の報酬は、固定報酬と変動報酬(短期的な業績連動報酬および中長期的な株式報酬)から構成され、短期的な業績連動報酬は年次の予算計画に対する達成率との連動、中長期的な株式報酬は株主価値と連動する形で設定しております。なお、監査等委員である取締役については、その役割と独立性の観点から短期的な業績連動報酬は設定しておりません。
取締役の上限報酬総額(2023年度)
取締役 (監査等委員である取締役を除く。) |
金銭報酬 | 年額200,000千円以内(うち社外取締役分は年額50,000千円) |
---|---|---|
株式報酬 | 年額120,000千円以内(うち社外取締役分は年額20,000千円) | |
監査等委員である取締役 | 金銭報酬 | 年額50,000千円以内 |
株式報酬 | 年額20,000千円以内 |
取締役及び監査役の報酬等の総額等(2023年度)
区分 | 報酬等の総額 | 報酬等の総額(内訳) | 対象となる役員の人数(人) | |
---|---|---|---|---|
基本報酬 | 譲渡制限付株式報酬 | |||
取締役(監査等委員を除く) (うち社外取締役) |
75,785千円 (6,999千円) |
56,508千円 (3,000千円) |
19,276千円 (3,999千円) |
4 (1) |
取締役(監査等委員) (うち社外取締役) |
17,247千円 (17,247千円) |
14,250千円 (14,250千円) |
2,997千円 (2,997千円) |
3 (3) |
監査役 (うち社外監査役) |
3,600千円 (3,600千円) |
3,600千円 (3,600千円) |
- | 3 (3) |
合計 (うち社外役員) |
96,633千円 (27,846千円) |
74,358千円 (20,850千円) |
22,274千円 (6,996千円) |
9 (6) |
(注)当社は、2023年3月29日開催の第19期定時株主総会の決議に基づき、同日付で、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しております。
取締役(監査等委員である取締役を除く。)に対する報酬等には、監査等委員会設置会社への移行前における取締役に対する報酬等を含んでいます。
監査等委員である取締役に対する報酬等は監査等委員会設置会社移行後の期間に係るものであり、監査役に対する報酬等は監査等委員会設置会社移行前の期間に係るものです。
2023年度に取締役会で行われた主な議論
当社は、中期事業計画の実現に向けて事業状況および株式市場、社会環境を踏まえた様々な外部環境を踏まえ、以下のようなテーマについて取締役会で議論を行いました。
取締役会で行われた主な議論(2023年度)
- 中期経営計画および事業計画に関わる事項
- M&AおよびPMI等の投資方針に関わる事項
- 新規事業および子会社に関わる事項
- コンプライアンス及び内部統制に関わる事項
など
リスクマネジメント
当社は、業務執行に係るリスクを総合的に認識・評価し、適切に対応するため、リスク管理規程を定めて運用しています。経営を取り巻く内外環境の変化や、法令定款違反その他の事由に基づく損失の危険が発見された場合には、リスク管理部門を中心にリスクに関する措置、事故発生時の対応等について協議し、処理の経過や結果について経営陣に報告する体制を明確にしています。
リスク管理体制とマネジメントシステム
定期的な活動として、以下のリスク項目について、年に1回の頻度で全部門に対してリスク評価を実施し、取締役会に報告の上、代表取締役社長や管掌役員を交えてディスカッションを行い、具体的な措置や対策について確認しています。この他、緊急対応が必要な重要リスク(事故等の発生)については、都度協議を行い、リスクの拡大防止と早期収束に努めています。
リスクマネジメント項目
- サービス障害、システム障害リスク、業務事故
- 情報漏洩/虚偽情報配信リスク
- 法令違反/コンプライアンス/従業員による不正行為リスク
- アビューズリスク/レピュテーションリスク
- 安全管理/人事労務管理/資産喪失リスク
- 経営戦略/経営管理/経理財務リスク
リスクマネジメント体制図